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バーチャルオフィス 東京の開発

顧客にとっても、いつも使っているスーパーマーケットに銀行があれば、それは大変便利なことですから、これまで使っていた銀行からこちらに乗り換える可能性は極めて高くなります。 そしてインストアバンク出店のための経費は、通常の支店のそれと比較すると圧倒的に安上がりです。
なにしろ建物を建てなくて済みますし、大理石張りの床にする必要もありません。 キャッシュディスペンサーをおき、カウンターを作るだけでいいのです。
一方、スーパーマーケットサイドにとってもテナント料が入りますし、銀行を訪れた顧客のついで買いという可能性も期待できます。 また一般的に銀行支店は都市の中心部にあることが多く、顧客の生活の場である住宅地からは心理的にも距離的にも遠い存在でした。
しかし、スーパーマーケットは住宅地に一番近い商業施設です。 つまりスーパーマーケット内部への銀行支店の出店は、顧客にとっても、スーパーマーケットにとっても、そして銀行にとっても、ありがたいことなのです。
日本で今進められようとしている金融ビッグバンの結果、日本の金融業界にも従来の業界常識を破るような銀行が出始めていますが、このインストアバンクも大きな焦点となってくるでしょう。 これまで銀行はあまりにも殿様商売をしてきました。
小規模な個人商店がコンビニエンスストアに業態替えして生まれ変わったように、銀行も生き残るためには徹底的に変身する必要があり、今がその絶好のチャンスでもあります。 消費者視点に立った全面的な改革が必要です、それにはeビジネス化はかかせません。
さてeビジネス化とスーパーマーケット内部への出店によって、WFの多くの支店は閉鎖されることになりました。 もちろん本店は残されますし、支店の中でも特に重要な地域にある店舗は残されることになりました。

しかし以前のように大きなスペースが必要であるわけではありません。 銀行作業のeビジネス化も進んでいるので、書類の保存場所も少なくて済むようになりましたし、だいだい訪れる人の数が少なくなります。
つまり銀行の建物の中に不必要なスペースが増えてくるのです。 でも、こうした支店の多くは地価の高い交通量の多いところにあります。
WFバンクではその有効利用を考えました。 銀行をショッピングセンター化してしまうのです。
ちょうど自分たちがスーパーマーケットのテナントとなったように、いらなくなったスペースにテナントを入れてしまうのです。 でもテナントとなるのは誰でもいいというわけにはいきません。
銀行としての信頼感を傷つけずに、立地の特性にあったテナントでなければなりません。 そこで最初に候補となったのが、日本でも店舗展開を開始しているSコーヒーでした。
Sコーヒーは米国内に一〇〇〇店舗以上を出店している、米国内最大のコーヒーチェーンです。 同社のブランド性はWFにとっても有効なものですし、コーヒーの香りは銀行のどっしりとした建物とうまくマッチしています。
Sコーヒーとともにテナントとなったのは、Bという高感度なサンドイッチショップ、そしてBというフランチャイズシステムのドライクリーニングチェーンが商品受け渡し窓口を設置、もう一つはP社による郵便サービスです。 このように米国には次々に新しい銀行の形態が生まれています。

このように米国の銀行は旧来の常識にとらわれることなく、時代の要求にしたがってeビジネス化を進め、さらにそれによって不要となった店舗空きスペースの有効活用を試行するなど、ビッグバンで慌てふためいている日本の銀行とは比べものにならないくらいに、日々ダイナミックな変化を遂げています。 しかしここで見落としてはならないのは、規制の中にあっても、彼らが他社との差別化を常に試行し、他社にはまねのできないようなサービスを先を争って開発したり、顧客の視点に立って店舗を作ったりしていることです。
こうした考え方は一般的には小売業に多く見られるものです。 特に米国の小売業は他社との違いをどのように表現するかということに大きな努力を払っています。
そうした際に重要となるのが、小売業としてのブランドパワーの醸成です。 そのためにそれぞれの小売業が店舗のサイン(看板)を工夫し、ディスプレーを行い、什器のデザインにも自社らしさを出し、インテリアカラーをコーポレートカラーに統一し、デザインしたショッピングバッグを用意して、店を一つのブランドとして顧客の心の中に強く印象付けようとしているのです。
店員のサービスや商品の価格、店で顧客が過ごした時間など、形として残りにくい要素のすべても、ブランドに集約されて顧客の心に残ります。 銀行業界において、それをもっともうまく行っているのがCBではないでしょうか。
CBの場合、店舗の作り方から一般の銀行とは異なります。 店頭サインはもちろんのこと、店内の色使い、照明の仕方、使用されるカウンターの素材や色、銀行らしくない上品な家具類、そして様々な書式に至るまで、すべてにCI(コーポレートアイデンティティ)が強く意識されています。
CBはブランドとしての銀行を強く意識している数少ない銀行と言えます。 違いを明確に出しにくい業界であるからこそ、こうしたはっきりとしたCIが有効になり特にeビジネス化が進展してくるのにしたがい、銀行という実態がバーチャルなものになってくるわけで、実態に接する頻度もそれだけ減少してきます。
となると、銀行を選択する際に重要となる要素は何でしょうか。 銀行の信頼感を作り出してくれるのは何になるのでしょうか。
ブランド的視点から銀行を再構築しなければならない時代が近づいています。 ビッグバンによってもう一つ大きく変わりそうなのは証券業界です。
しかし、日本の証券会社は様々な不祥事を引き起こして、消費者の信頼を完全に失っています。 それにこれまで証券というものが、一般の消費者にとっては、あまりにも縁遠いものでしたから、ビッグバンによってそれが突然、身近な存在になることも期待できません。
ところが米国では、個人資産形成の方法として、株式や債券などがごく普通に購入されています。 その背景には企業の情報公開、いわゆるディスクロージャーが進んでいること、企業が株主のために存在するという意識が確立していることなどがあります。

このあたりが日本においても一般化すれば、個人で金融商品を購入することもだいぶ一般的になるのではないでしょうか。 さてここ数年、米国での金融商品取引に大きなシェアを持つようになってきているのが、インターネットを使った売買です。
もともと金融取引は物理的に商品を動かす必要がないタイプの取引なので、オンラインショッピングには向いています。 また株の売買などには多くの企業情報を必要としますが、米国の現状ではそうした情報もインターネットで入手するのが一番いい方法です。
インターネットで株や債券を売買する企業はオンラインブローカーと呼ばれています。 その代表的なものがR社です。
同社はオンラインを主な取引シールとして運営されている企業ですが、これまで店舗を構えて営業を行ってきたような証券会社も、最近ではほとんどが同様なインターネットサービスを提供するようになっています。

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